by全米経済研究所
この研究で遺伝子を調べると、才能に恵まれた人の傾向は分かるという。そこで、成長して成功する人としない人に差が出るのはなぜなのかを研究者たちは探った。この研究では、大学を卒業することを一応の「成功」と見なしている。なぜなら、大学などの学校を出ると、そうでない人よりもよい収入を得られる仕事に就き、「成功」している率が高いと一般的に考えられているからだ。特に米国では、給料がそれなりの会社で働きながらしっかりとした生活を築くことを、「サクセスフル(成功している)な人」と見る向きがある。
調査結果によれば、遺伝子的に才能がないグループに属する子供でも、裕福な家に育てば、大学を卒業する比率が高いことが分かった。その割合は、遺伝子的に才能のあるグループに属する、貧しい家庭に生まれた子供が大学を卒業する割合よりも断然高かった。
数字で示すと、遺伝子的に同じ程度に優秀な才能を持つ子供たちの中では、裕福な家庭に育った子の63%が大学を卒業するのに対し、貧しい家庭ではその割合は24%にまで下がる。
一方、遺伝子的に才能が低いと評価されたグループの子供たちでも、裕福な家庭に生まれると27%は大学を卒業する。つまり、遺伝子的に才能に恵まれた貧しい子供たちよりも、才能が劣る金持ちの子供たちのほうが、大学を卒業する数は多いのが現実だということが分かる。
この研究からはっきりすることの一つは、将来的に成功するかどうかの違いを生むのは、遺伝子的に恵まれた才能ではなく、それぞれが育つ環境が大きいということだ。現代社会では「裕福さが遺伝子を超える」ということなのだろう。
Reference:「才能ある貧乏」と「無能な金持ち」はどちらが成功する? 浮かび上がった不都合な事実
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