人生をよりよく生きるために必要なのはTサイクルを回すことだと私は結論づけた。Tサイクルとは、目的論的な考え方から導き出したTモデルに起因している。Tサイクルを回すことにより、成功に近づくことができる。
Tサイクルは、自分が好きなことをやりたいと思う『自己承認』と、他者に認められたいと思う『他者承認』、自分ならできると思う『自己効力感』、実現させたいことである『目的』、目的を実現させるために行う『行動』の5つの主要素と、自分が正しいと信じている『信念』、先天的資質や能力、性別などの『個人的要因』、自分を取り巻く状況である『環境的要因』の3つの副要素から構成される。『信念』と『個人的要因』は最初からサイクル内にあるわけではなく、Tサイクルを回す中で生まれる。『環境的要因』もTサイクルを回す上で直接的には関与しないため、これらを副要素と呼ぶ。
「Tサイクルを回す」とは、「小さな成功体験を積み重ねる」ことである。成功は、小さな成功体験を積み重ねた先にある。成功の定義は、人によって異なる。欲求は人によって異なるからである。同様に、Tサイクルを回す方法も人によって異なる。
例えば、成功するには、自分の興味(自己承認)が必須という意見がある一方で、不要だとする意見がある。また、成功するためには、環境(環境的要因)を変えた方が良いという意見がある一方で、変えない方が良いという意見がある。つまり、Tサイクルの構成要素は両極を備えていることになる。
ここで重要なことは、Tサイクルを回すために自分に合っている方法を模索し、選択することである。Tサイクルを回していると、初めは順調であっても突然不調になることがある。そうした時は、Tサイクルの要素を1つずつ見直してみるとよい。例えば、不調になっている要素で、先の例でいう「両極」に当たることをやってみると、活路が見出せることがある。
注意すべきなのは、名言や格言の多くは、成功に係る要素が複数あるにも関わらず、特定の要素にだけ注目して発言されていることが多いことである。これは、人によって要素の初期条件が異なるため、より自分に当てはまったことや有効だったものに焦点を当てて発言しているからと推察できる。したがって、成功するには複数の要素があることを踏まえた上で、名言や格言を捉えると良い。
とはいえ、人生をよりよく生きるために、自己承認、他者承認、自己効力感、目的、行動、信念、個人的要因、そして、環境的要因といった要素が本当に必要なのか疑問に思われる方もいるだろう。そのため、本ブログでは、その検証を主目的に置いている(【参考記事】成功者に共通する5つの要素、成功者に共通する5つの要素#2)。また、個々の構成要素に対して、人類がどのような英知を育んできたのか、名言や格言を通して明らかにしていく。
なお、Tサイクルの構成要素はブログ記事のタグになっているので、構成要素に係る名言や格言に、効率的にアクセスすることが可能となっている。