「ストレスという名の怒りのオーラ」を浴び続けた子はこころが委縮する。
まずは「安全確保」に走らざるを得ないので、その場を一刻も早く逃れることしか考えなくなるのである。
要するに「嘘で身を固める」「響かない振りをする」「親や社会への恨みを募らせる」「問題から逃げまくる」「反抗がエスカレートする」「考えることを拒否する」というような行為に出やすい。
つまり「防御」か「反撃」しか道がなくなるのである。
アメリカの心理学者アブラハム・マズローによると、人間の持つ内面的欲求は5段階に分かれており、低次の欲求が満たされると順により高次の欲求を求めるようになります。
(低次)
生理的欲求:
飢え、喉の乾き、睡眠、排泄、性の充足などといった人が生存するための基本的・本能的欲求
安全の欲求:
危険・脅迫から身を守りたい、生活を保障してもらいたいという欲求
社会的欲求:
自分の存在を他人に認められ、他人との関係を持ちたいという欲求
自我の欲求:
自尊心を持ち、他人から尊敬されたいという欲求
自己実現の欲求:
自分自身の持つ可能性を発揮し、目標(目的)となる理想的な水準に達したいという欲求
(高次)
子どもが「安全確保」に走らざるを得ないということは、親からの愛情を感じていないということ。つまり、安全の欲求が満たされていないということです。そうすると、いつまでたっても次の段階である社会的欲求に移ることができません。
社会的欲求は、他者に認められ、他者と関係を持ちたいという欲求です。
社会的欲求に移ることができないということは、他者と関わることを避けてしまっているということです。他者と関わることを避けてしまうと、「こうされたら痛い」とか「こうされたら悲しい」といった相手の気持ちを考えることができなくなります。
また、相手を思いやる気持ちがないと、共感することも難しくなります。共感できないと、「自分だけ良ければそれでいい」という自己中心的な考えを持つ子どもに育ってしまう可能性もあります。
その上、安全の欲求が満たされていないとすると、常に気を張っている状態だということです。常に気を張っている状態だと当然心は疲弊します。そうなると、正常な判断ができなくなり、異常な行動をとる可能性も高くなります。
昨今の子ども同士の悲惨な事件の背景には、もしかすると、こうした事情があるのかもしれません。
「愛される」という感情がわからない人は、人を愛することはできません。なので、お子さんをお持ちの方は、たくさん愛してあげて下さいね。
Reference:PRESIDENT Online、キャリアカウンセラー養成講座 text5(日本マンパワー)
−−
”You are here to enable the divine purpose of the universe to unfold. That is how important you are.
ー Eckhart Tolle ”
Top Photo By BK, on Flickr