角田陽一郎「運のいい人の考え方を自分の頭の中に入れろ」

by 角田 陽一郎(バラエティプロデューサー)

―本書(運の技術 AI時代を生きる僕たちに必要なたった1つの武器)には、「やりたいことに『いい名前』をつける」や「『整えすぎ』は運を逃す」など、開運のための心がけがたくさん詰まっていますが、角田さんはすべて実践されているんですか?

角田 いえ、むしろできていないからこそ、自分も運を引き寄せるための行動を心がけたいと思って書いたんです。というのも、僕は「著者は常に自分のために書いている」と思っていて。『7つの習慣』の著者はもともとそれだけの習慣を実践できていなかったと思うし、ナポレオン・ヒルは思考を現実化できていなかったんじゃないかと。

―なるほど。

角田 加えて言うと、僕自身、この本に書いてある技術や考え方を、メソッドとして日頃から個々の出来事に当てはめたりはしていません。感覚的には、そういった技術や考え方、すなわち教養を自分の頭の中に”だし”として入れ込んで、日々の生活の中でじわじわと効いてくるようなイメージですかね。

―どういうことでしょう?

角田 例えば、秋元康さんが「『川の流れのように』はマンハッタンの高層階からハドソン川を眺めているときに思いついた」と語っているエピソードがあるんですが、実はその一方で、「いろんな経験が自分の中でごちゃ混ぜになり、歌詞としてにじみ出てくる」というニュアンスのことも語ってらっしゃるんです。僕はこの考えにすごく同意していまして。「思いついた」とだけ聞くと、アイデアが降りてきたように聞こえるけど、実はそうではないのかなと。

つまり、この本で言いたいことは「運のいい人のように生きろ」ってことではなく、「運のいい人の考え方を自分の頭の中にいったん入れろ」ってことなんです。そうすれば、どこかのタイミングでその教養が”だし”として生きてくるかもしれない。

Reference:教養としての「運の技術」が身につけば自由に生きられる! バラエティプロデューサーが指南する新感覚処世術

人生をよりよく生きるために必要なTサイクルの8つの要素。今回は、そのうちの1つ、目的を実現させるために行うこと(行動)に関する名言をご紹介しました。




−−

”To be interested in the changing seasons is, in this middling zone, a happier state of mind than to be hopelessly in love with spring

ー George Santayana ”
Top Photo By BK, on Flickr

理系屋代表