by 藤堂 高虎(戦国武将)
豊臣秀吉や徳川家康など、歴代仕えた上司の人数が10人だったという藤堂高虎(とうどうたかとら)。
高虎にとっての転機は21歳の時。5人目の上司である豊臣秀長(豊臣秀吉の弟)との出会いでした。
秀長から、これまでの3倍以上の石高(こくだか)である300石(約3000万円)で迎えられた高虎は、32歳で2万石の領主にまで出世します。秀吉からも「藤堂のような勇将は二度と得られない。常にこれを厚遇するべきである」とまで言わせたほどの人物です。
そんな彼が、これだけ主君を変えていった理由。それは、
数年昼夜奉公しても気の付かない主人であれば、代々仕えた主君であっても暇(いとま)をとるべし
つまり、正当に評価してくれない上司なら関係を切れ、ということです。
職業選択や変更はどのように行われ、また、それらはどのように行われるべきなのかについて、一連の考え方を示すキャリア理論の観点からいうと、今回のケースは、人間の行動に影響を及ぼすとされる能力、興味、価値観の中の価値観に該当します。
価値観は、報酬や満足度、地位など人によって様々です。
ですが、ある程度の満足感が得られないと行動に影響することがわかっています。
そして、この価値観に影響を与えているのは、自分と自分を取り巻く環境です。つまり、現時点で満足感が得られていないのであれば、考え方を変えるか、高虎のように環境を変えるしかないのです。
しかし、忘れてはいけないのが、行動の源泉は価値観だけではないということです。
最高のパフォーマンスは、能力と興味と価値観をバランスよく配置できる環境に身を置いてこそ発揮されます。なので、時には厳しい環境を選ぶ必要があるかもしれません。
成長するとは、「行動→経験→新しい自分→行動」というサイクルを回し続けることだと僕は思います。このサイクルを回せる環境を見つけ、成長することが充実した人生を送る上で大切なことだと思います。
Reference:NHK
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”Let’s be patient and trust that the treasure we look for is hidden in the ground on which we stand.
ー Henri J.M. Nouwen ”
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