成功者に共通する5つの要素

成功する上で重要なことは、小さな成功体験を積み重ねることである。以下、成功者の共通点が、Tサイクル(参考記事:語録.comとは?)の構成要素※になっていることを、成功に関する名著を通して考察する。

※Tサイクルの構成要素([ ]は副要素):自己承認、他者承認、自己効力感、目的、行動、[信念]、[個人的要因]、[環境的要因]

リチャード・セント・ジョン(成功に関する分析を行うアナリスト)

この本の著者であるリチャード・セント・ジョンは飛行機で隣の席にすわった10歳の少女に「成功に導いてくれるものはなに?」と質問されたことから、成功者に共通する特徴を探す旅に出た。

著者は10年という長い歳月をかけ、ビジネスマンからアスリートまで幅広い分野において第一線で活躍している500人にインタビューを行い、とうとう彼らの共通点を見つけ出した。それは、非常にシンプルな8つのことだった。

1.PASSION 情熱を捧げる/2.WORK 懸命に働く/3.FOCUS 集中する/4.PUSH 奮起させる/5.IDEA アイデアを生みだす/6.IMPROVE 改善する/7.SERVE 人の役に立つ/8.PERSIST やり抜く、である。

Reference:世界の一流だけが知っている 成功するための8つの法則

<解説>

  • 「1.PASSION 情熱を捧げる」とは、興味や関心など自己の欲求のことなので、自己承認のことである
  • 「2.WORK 懸命に働く」「5.IDEA アイデアを生みだす」「6.IMPROVE 改善する」とは、目的を達成するための手段のことなので、行動のことである
  • 「3.FOCUS 集中する」とは、個人の欲求を達成させるために具体化させることなので、目的のことである
  • 「4.PUSH 奮起させる」「8.PERSIST やり抜く」とは、行動の源泉のことなので、自己効力感のことである
  • 「7.SERVE 人の役に立つ」とは、他者の欲求を満たすことで他者から認めてもらうことなので、他者承認のことである

以上から、第一線で活躍している500人の共通点は、Tモデルの主要素である自己承認、他者承認、自己効力感、目的、行動で説明ができる。

スティーブン・R.コヴィー(経営コンサルタント)

①主体的であること、②終わりを思い描くことから始める、③最優先事項を優先する、④Win-Winを考える、⑤まず理解に徹し、そして理解される、⑥シナジーを創り出す、⑦刃を研ぐ

Reference:ゆう「『7つの習慣』は、5つの概念に分類できる」

<解説>

  • 「①主体的であること」とは、自分の興味や関心に従うことなので、自己承認のことである
  • 「②終わりを思い描くことから始める」とは、限りのある人生だからこそ個人の欲求を達成させるためには具体化する必要があるということなので、目的のことである
  • 「③ 最優先事項を優先する」「⑤ まず理解に徹し、そして理解される」「⑥シナジーを創り出す」とは、目的を達成するための手段のことなので、行動のことである
  • 「④Win-Winを考える」とは、自分の欲求と他者の欲求をを満たすことなので、自己承認他者承認のことである
  • 「⑦ 刃を研ぐ」とは、自分自身の能力を維持し高めていく行動の源泉のことなので、自己効力感のことである

以上から、世界的名著であり、自己啓発に関する書籍として、日本でも最も 有名といっていい「7つの習慣」も、Tモデルの主要素である自己承認、他者承認、自己効力感、目的、行動を用いて説明できることがわかる。

古川 武士(習慣化コンサルタント) 

「8つの成功法則」
成功をイメージする、楽観的になる、自分の直感に従う、他人に奉仕する、目標や目的をはっきりさせる、他人に思いやりを持つ、楽しいことに取り組む、自分の価値観を知る(文言は頻出順)

Reference:古川武士「成功の秘訣は、名著に共通する行動や習慣だけを愚直にやり続けること」

なお、名著の例としては、下記が挙げられている。

分析対象の50冊の自己啓発書リストは、著名な自己啓発書を集めて、厳選したT・バトラー・ボートンが書いた「世界の名著シリーズ」250冊を参考にしました。(中略)

『原因と結果の法則』 ジェームズ・アレン、『人を動かす』 デール・カーネギー、『7つの習慣』 スティーブン・R・コヴィー、『EQ こころの知能指数』 ダニエル・ゴールドマン、『人生を変える80対20の法則』 リチャード・コッチ、『影響力の武器』 ロバート・B・チャルディーニ、『第1感「最初の2秒」のなんとなくが正しい』 マルコム・グラッドウェル、『思考は現実化する』 ナポレオン・ヒル、『チーズはどこへ消えた』 スペンサー・ジョンソン、『人生に奇跡をもたらす7つの法則』 ディーパック・チョプラなど……非常に信頼性の高いものです。

Reference:世界の「成功哲学」名著50冊徹底調査で判明した「8つの習慣」

<解説>

  • 「自分の直感に従う」「自分の価値観を知る」とは、自分の興味や関心に関することなので、自己承認のことである
  • 「他人に奉仕する」「他人に思いやりを持つ」とは、他者の欲求に関することなので、他者承認のことである
  • 「楽観的になる」とは、行動の源泉のことなので、自己効力感のことである
  • 「成功をイメージする」「目標や目的をはっきりさせる」とは、個人の欲求を達成させるために具体化させることなので、目的のことである
  • 「楽しいことに取り組む」とは、目的を達成するための手段のことなので、行動のことである

以上から、世界の「成功哲学」といわれる名著も、Tモデルの主要素である自己承認、他者承認、自己効力感、目的、行動で説明できることがわかる。

まとめ

今回は、成功に関する名著を通して、成功者の共通点と、Tサイクルの構成要素が一致しているかどうか考察したが、これだけで一致していると結論づけることは到底できないだろう。しかし、何らかの関係性がありそうだということをご理解頂けたならば幸いである(関連記事:成功者に共通する5つの要素#2)。





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” Internal peace is an essential first step to achieving peace in the world

ー Dalai lama
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理系屋代表