原田雅彦「プレッシャーがないとダメです。そうでないと、結果は出ませんよ」

by 原田 雅彦(元スキージャンプ選手)

原田雅彦(現・雪印メグミルク監督)は4年後輩の葛西紀明選手にエールを送る。彼が出られなかった長野オリンピックで日本団体の大逆転勝利を演出したのが原田だった。

「日本が金メダルを取ると、世界中が思っていました。でも、私のジャンプがのびなかったことで、1本目を終えた時点で日本は4位。もしかしたらメダルを取れないんじゃないかと思いましたね……」

リレハンメルオリンピックでまさかの失敗ジャンプを演じ、団体の金メダルを逃した悪夢が頭をよぎる。(中略)

1本目に距離がのびず、みんなが不安そうに私の顔を見ていたのを覚えています。でも、お客さんや関係者がひとつになって金を! と後押ししました。いや日本中がひとつになったのを感じましたね」

足の骨が折れてもいいと覚悟して臨んだ2本目は、137メートルの大ジャンプ。飛び終えると放心したような表情で「ふなき……ふなきぃ〜!」とラストジャンパー船木和喜選手の名を呼んだ。

「正直、2回目を飛び終わって本当に、ホッとしました。そうとうなプレッシャーを感じていたんだと思います。みんな原田が失敗するんじゃないかとハラハラしていたわけですから。

その重圧から解放されて、ああいう状況に。フラフラになった中で囲まれて、質問されてもうまく答えられない。そのうちに船木の順番が来たので、 “ほら、金を取る瞬間だよ”と。“船木を見ようよ”と言いたかったんだけど、“ふぅなぁき〜ぃ”になっちゃったんです(笑)」

極限の状態で戦っていたのだ。使命感がパワーとなった。

「プレッシャーがないとダメです。そうでないと、結果が出ませんよ。私も初めての五輪はのびのびやれて楽しかった。経験を積み重ねるうちにプレッシャーがかかってきて、不安も大きくなる。でも、これがオリンピックなんだな」

Reference:スキージャンプの原田雅彦「ふぅなきぃ〜!」の舞台裏と現役選手への思いを語る

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”The beginning of this love is the will to let those we love be perfectly themselves, the resolution not to twist them to fit our own image

ー Thomas Merton ”
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理系屋代表