中尾隆一郎『「課題」は解決すべきだけれども、「問題」は解決せずに放置して良いケースがある』

by 中尾 隆一郎(リクルートワークス研究所副所長)

問題があるのに、それを放置した方が良い、つまり解決しない方が良いことがあるのです。不思議ですね。それはどのような場合なのでしょうか?

具体的な事例を紹介する前に、「問題」と「課題」の違いについて整理をしたいと思います。問題解決、課題解決などというように同じ意味で使っているケースも多いのですが、私は、この2つの言葉を明確に使い分けています。

「問題」は、現在起きている良くないことや、気になりごと、もやもやしていることです。一方の「課題」は、将来に到達したい「ゴール」や「あるべき姿=To Be」と現状このまま進捗した場合にその将来に到達できるだろうポイントとのギャップです。つまり、「問題」は現状のことで、「課題」は未来におこるだろうギャップだと使い分けています。

私は、「問題」が起きた際に、それが単なる「問題」なのか、「課題」なのか判断してから、解決するかどうかを判断する習慣を持っています。それを問題の課題化と呼んでいます。つまり、「課題」は解決すべきだけれども、「問題」は解決せずに放置して良いケースがあるというのが今回お伝えしたいことです。

Reference:「仕事・お金の悩み」に関する成功者の言葉#5

人生をよりよく生きるために必要なTサイクルの8つの要素。そのうちの3つ、「自己承認」「他者承認」「自己効力感」から、人の悩みは、大きく3つのカテゴリー、「自己の悩み」「人間関係の悩み」「仕事・お金の悩み」に分けることができます(参考記事:「人が悩む3つの要素」「人が悩む3つの要素#2」)。

例えば、「自己の悩み」とは、自分の能力や健康のこと、「人間関係の悩み」とは、教育や交友、子育てのこと、「仕事・お金の悩み」とは、キャリアや給与のこと。

今回は、「仕事・お金の悩み」に関する名言をご紹介しました。





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”The very cave you are afraid to enter turns out to be the source of what you are looking for

ー Joseph Campbell
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理系屋代表