高宮敏郎「人が何かを学ぼうとするときには、競争動機、理解動機、感染動機がある」

by 高宮 敏郎(SAPIX YOZEMI GROUP 共同代表)

「人が何かを学ぼうとするときには、競争動機、理解動機、感染動機があるといいます。競争動機というのは競争で勝ったらうれしいねということですし、理解動機というのは、分かったときの喜びです。もう一つ、もしかしたらなじみがないかもしれませんが、感染動機は憧れです。こういう人になりたいなどといったことがモチベーションになるということです」(高宮代表)

和田校長はこの3つの動機について、競争動機は切磋琢磨するためには悪いものではないとしつつ、灘校の生徒たちの場合、学ぼうとする力に大きな影響を与えているのは理解動機だと説明。「例えば図形の問題が解けなかったとします。すると2、3日気になったままで、ある日、お風呂に入ってタイルか何かを見たときに、『 あ、そうか!』と理解するようなことがあるわけです。するともう、体の中の神経が震えるような喜びが、本人は得られるわけです。この喜びこそが次の問題に挑戦しようという意欲につながりますし、灘校の生徒の学ぶ力において、大きな動機になっているかと思います」と話しました。

また感染動機を考える場合、親としては良い影響を与えたいと考えて、様々な偉人の物語に触れさせたくなってしまうが、「宇宙飛行士を見てあんなふうになりたいと思うのも感染動機の一つとして良いのですが、もっと身近にいるお父さんやお母さんを見て、僕も、ああいうふうになりたいなとか、学校の先生を見てあんなふうになりたいなといった、身近な人物に影響を受けることでもいいんです」(和田校長)と指摘。

最終的には3つの動機が複雑に重なり合って、頑張っていこうという気持ちにつなげていってほしいと話しました。

Reference:名門「灘」校長らが語る 子の学ぶ力育てる3つの動機

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ー Jack Kornfield ”
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