箕輪さんの仕事術のポイント1つ目は、「相手を自分に憑依させること」。編集者の仕事は、作家や起業家など著名人に本を書いてもらうために企画をしたり、編集をしたり……その内容は多岐にわたります。箕輪さん曰く、売れる本を書く人は、常にオファーが舞い込み出版社が列をなしているような状態だとか。そこを“あなたと仕事がしたい!”と思わせなければなりません。
そこで大切なのが「口説きたい人の気持ちや性格、人生などを全て自分なりに分析する。その人が自分に憑依しているかの如く、想像し尽くすこと」と箕輪さんは言います。そして箕輪さん曰く、人が口説かれて落ちるときは、「相手が自分以上に、自分の気持ちをわかってくれていると感じたとき」がほとんどなのだとか。
堀江さんにオファーするとき、“無駄な時間を使いたくない人”だと分析した箕輪さんは、熱量で押すよりもマネージャーに企画書を送ったそうです。その内容は、箕輪さんが革新者におこなったインタビューを堀江さんに読んでもらい、そこに解説を加えてもらうだけというもの。堀江さんのSNSなどでの言動を日々チェックしていた箕輪さんは、「移動中にスマートフォンで書けるような仕事であれば、『やろう』と言うと思った」と当時を振り返ります。現に箕輪さんの企画は、先に(堀江さんへ)10社以上からきていたオファーを飛び越えて出版に至りました。
2つ目は、「安心・安全を破壊せよ!」です。体現者として、箕輪さんは秋元康さんの名を挙げます。「秋元さんは、これまでの経験と感性で予定調和なものはヒットしないとわかっているから、あえて1回破壊したあとのものを見たがる」と言います。また、秋元さんと何度か会議したことがあるという箕輪さんは、「秋元さんは、段取りを常に破壊して周りを混乱させることを意識的にやっている」と分析。当たり前なことをスケジュール通りにやってできあがったものはつまらないものが多いと言う箕輪さんに、たかみなは「秋元さんとしゃべっているみたいで鳥肌が立った。腕を組んでいる秋元さんの姿が見えましたよ(笑)」と驚いていました。
そして、3つ目の仕事術は「自然消滅のススメ」です。プロジェクトの途中で、“うまくいかないだろうな”“やりたくない”とみんなが感じつつも、やると決まっているから進める……仕事をしているとありがちなこの光景に、箕輪さんは「良くないと思う」ときっぱり。箕輪さん自身、モチベーションが下がった仕事には「返信をしなくなるし、(途中で)やめちゃいます」とのこと。さらには「誰もがやりたくないと思っているものは、絶対にヒットもしない」と言います。とはいえ、やってみないと面白いかどうかわからないため、「途中でやめてもいいから、とりあえず始めてみること」と箕輪さんは声を大にしていました。
Reference:ホリエモンを口説き落とした、敏腕編集者の“型破りな仕事術”
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