by 山口 周(コーン・フェリー・ヘイグループ シニア・クライアント・パートナー)
その人にとっての本当の強み、他の人にはなかなか真似のできない強みというのは、それが本当の強みであればあるほど、本人にとっては「できて当たり前、知ってて当たり前」であることが多いのです。だから、それを「あなたの強みってここですよね」と言われると「はあ、それは私にとっては当たり前なんですけど」と思ってしまう。
一方で、周囲の人たちにはできるのに自分にはできないことに意識を向けてしまい、いわば「ない物ねだり」をしてしまう。
しかし、ではその「ない物」を一生懸命に努力して獲得したとしてどうなるかというと、せいぜい「人並み」にしかならないわけです。しかし、これでは厳しい。なぜかというと、「人並み」のものには誰もお金を払わないからです。経済価値が生まれないんですね。
人がお金を払うのは、いつも「ユニークなもの」です。そして、自分を他者と差別化するポイントは常に、本人が当たり前と思っていることの中にこそ潜んでいるものなのです。
まとめましょう。まず、自分が学ぶべきジャンルについては、二つのジャンルのクロスオーバーを考えてみる。一つのジャンルで飛び抜けるのは難しいことですが、クロスオーバーを作るとユニークなポジションを作りやすい。これが一つ目のポイントです。
そして二つ目のポイントが、掛け合わせるジャンルについては、「自分の持っている本性や興味」を主軸に選ぶべきで、他人が「持っているもの」で、自分が「欲しいもの」を主軸にしてはいけない、ということです。
Reference:「個人」に関する成功者の言葉#4
人生をよりよく生きるために必要なTサイクルの8つの要素。今回は、そのうちの1つ、先天的資質や能力、性別など(個人的要因)に関する名言をご紹介しました。
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”I believe marriage to be the best and most important relation that can exist between two human beings
ー Bertrand Russell ”
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