自己概念の形成は、乳児期から始まります。まわりの他者や世界そのものから、次第に自己を独立した存在として理解するようになっていくのが、第1の過程(分化)です。
2、3歳になると、ひとたびは分化した対象との同一化(同一視)が始まります。両親と暮らしている場合であれば、同性の親のほうに無意識にイメージを重ね合わせ、行動や感情を模倣するようになっていきます。これが第2の過程です。
第3の過程では、具体的な職業名を伴った同一化が始まります。すなわち、父親がパン屋であればパン屋に,母親が教師であれば教師という役割モデルに、自分を置き換えてみます。そして、成長するにつれて役割モデルは、両親から周囲の大人へ、本やテレビの登場人物へと広がっていき、イメージが膨らんでいくのです。
キャリアカウンセラー養成講座 text3 キャリアカウンセリングの理論 – 日本マンパワー
キャリア理論とは、職業選択や変更(以下、キャリア開発)はどのように行われ、また、それらはどのように行われるべきなのかについて、一連の考え方を示すものです。
スーパーによると、キャリア開発を語る上で欠かせない自己概念の形成は乳児期から始まります(関連記事:”私たちは誰でも「自己概念」を持っています”)。
生まれたての赤ちゃんは、自分とまわりの他者や世界を区別することはできません。でも次第に、ごはんをくれたり、おしめを取り替えてくれるなど、自分の世話をしてくれる、自分とは別の存在に気づき始めます(分化)。
2、3歳になると、今度は親のマネを始めます。マネをするというのは、自分の中に他者を取り入れるということです(同一化)。でも、マネをしてみて「なんか違う」となれば再び分化します。
このように人は、分化と同一化を繰り返しながら独自の自己概念を形成し、発展させていくのです。
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”If we are to reach real peace in this world … we shall have to begin with children.
(本当の平和は子どもからはじまる)
ー Mahatma Gandhi(インド独立の父) ”
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