2015年、世界最高得点322.40点を記録したNHK杯の2週間後に、スペインで開催されたグランプリファイナルに出場したとき、本番直前に、緊張感が高まってしまった羽生選手。
そのとき羽生選手はまず、
「ああ、僕は緊張しているな」
と気づき、その緊張している感情を受け止めました。
そのうえで、
「五輪のときは『金メダルが欲しい』と思って緊張しているのに、その自分がどうしても心の中で見えなくて、五輪の魔物にのまれた」
「でも今年のNHK杯では『ノーミスにしたい、総合300点を超えたい』と思っている自分が見えたから、自分を受け入れることができた」
「今は『NHK杯を超えたい』と思っている自分を、認めて受け入れよう」と述べたといいます。
つまり、羽生選手は、
・ステップ1.「緊張しているな」と気づき、その感情を受け止める
・ステップ2.「『NHK杯を超えたい』と思っているから、緊張しているんだ。緊張しても仕方ない」とその緊張の原因を把握し、認める
・ステップ3.「今は『NHK杯を超えたい』と思っている自分を、認めて受け入れよう」と言葉で表現するというプロセスを経たのです。
こうしたプロセスを踏むと、「メッセージはきちんと届いた。任務終了!」となるため、感情が次第に鎮まるのです。
(うまく感情をコントロールできたおかげで、この日、羽生選手は330.43点という記録を出し自らが出した世界最高得点を再更新、21歳にして男子初のグランプリファイナル3連覇という快挙を成し遂げ、「レジェンド」になったのです!)
感情は、身体からの大切なメッセージです。
どんなに感じたくない感情であっても、感情が湧いたら、まずきちんと気づき、受け止めてあげてくださいね。
Reference:羽生結弦選手もやってる!感情コントロールの3ステップ
人生をよりよく生きるために必要なTサイクルの8つの要素。そのうちの3つ、「自己承認」「他者承認」「自己効力感」から、人の悩みは、大きく3つのカテゴリー、「自己の悩み」「人間関係の悩み」「仕事・お金の悩み」に分けることができます(参考記事:「人が悩む3つの要素」「人が悩む3つの要素#2」)。
例えば、「自己の悩み」とは、自分の能力や健康のこと、「人間関係の悩み」とは、教育や交友、子育てのこと、「仕事・お金の悩み」とは、キャリアや給与のこと。
今回は、「自己の悩み」に関する名言をご紹介しました。
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”To forgive others is, in fact, being kind to ourselves
ー Master Cheng Yen ”
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