川上浩司「プロセス自体が、ユニークさを生み出す秘訣」

by 川上 浩司(京都大学 デザイン学ユニット特定教授)

素振りを100回やった人よりも1000回やった人の方が、習熟度は高まるだろう。しかし、何の効果も得られない間違ったやり方だと、習熟しないどころか肩を壊してしまうかもしれない。単一な経験は、一生継続しても成長につながらない可能性が高い。自分にとって正しいやり方かどうかに関しては、多様なやり方を試した方が正解を見つけやすくなるのだ。あらゆるバリエーションを試し、失敗をする中でようやく「自分にとっての正しいやり方=本物」に出合える。

偶然、すぐに本物に出合えたとしよう。それは幸運でも何でもない。さまざまな経験をする機会が省略されてしまったため、今後自分が本物になる機会を奪われるとも考えられるからだ。たった1つの解決法を実行するのでは機械と同じで、そこからユニークさやあなたらしさは獲得できない。たったひとつの解決法で得た結果は、進化も成長も伴わない。要は飛躍がないのだ。

一直線に結論にたどりつかずに遠回りをしたり、行き来を繰り返したりすることが、深く考えるということである。その行為自体に、自分だけのユニークさを発見するヒントが隠されている。そして、そのユニークさこそが自分だけの強みになってくれる。

Reference:「個人」に関する成功者の言葉#5

人生をよりよく生きるために必要なTサイクルの8つの要素。今回は、そのうちの1つ、先天的資質や能力、性別など(個人的要因)に関する名言をご紹介しました。





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”You attract what you are, not what you want. If you want great, then be great

ー Author Unknown ”
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理系屋代表