加藤浩次「失敗を減らすっていうのは、同時に、成功の数も減らす」

by加藤 浩次(お笑いタレント)

坂口 これからの時代、どんな職業でも、自分しかできない何かを生み出す必要があると思うんですね。思い出すのが、加藤さんと、よくデビット・リンチの話をしたことなんです。新しい『ツイン・ピークス』は凄いっていう話で盛り上がりましたよね。デビット・リンチの作品は哲学的で難解でありながら、熱量に圧倒される、という。

加藤 だってね。自分の好きなもので、世の中の理解なんてのも考えずに作ったものが、人気があるっていう。こんだけ幸せなことないですよ。インスピレーションをもとに作っていくのが創作活動でしょう。でも、いつの間にか、マーケティングとかが支配的になってきて、多くはつまんなくなっているなって思いますもん。

坂口 会社で新商品の企画を出しても、これって、裏付けあるのかって聞かれますもん。むかし、本田宗一郎さんが『市場調査は役にたたない』っていったんですよね。消費者は既存商品をベースにしか評価できないからって。ただ、本田宗一郎さんだったらわかってくれるかもしれないけど、現場では、めちゃくちゃデータが求められますからね。

加藤 同時に、実際のトレンドって、そういうものに頼らない20代から出てきているでしょう。マーケティング的なものに身を置くことがダサい、みたいな。だから、若い世代の動きは面白いと思いますけどね。

坂口 あとは、スティーブ・ジョブズじゃないけれど、狂気から生み出す商品が売れるみたいな。ただ、会社であったら、無駄な投資をしてしまうと株主から責められる。いまガバナンスとかコンプライアンスでガチガチになっているのも事実。だから、狂気に似たやりたいことがまずあって、それを補完するためにデータを使うっていうのがいいんじゃないですかね。

加藤 だから、なんにも考えがなくて、マーケティングのデータだけで判断しているトップはもうダメですよ。

坂口 いまは、データを、失敗しないように使うだけですからね。

加藤 失敗を減らすっていうのは、同時に、成功の数も減らすってことだから。

坂口 おお。じゃあ、最大の参入障壁は失敗の数ってことかなあ。

加藤 そうですよ。日々、失敗し続けるっていうチャレンジが重要でしょ。

坂口 失敗する勇気といっても、それは別に派手な勝負ばかりじゃないでしょう。いま、目立つのだけがいいんだ、みたいな潮流がありますけれど。

加藤 自分の足元をみて、できるところから挑戦していくっていうのが重要だと思いますね。番組でも、会社でも、チームですから、役割分担がある。考えるひとがいて、伝えるひとがいて、客観的に判断するひとがいて、作るひとがいてね。他人に迎合せずに、自分なりの尺度をもっているひとって、結果的には評価されますよ。

坂口 これは、よく加藤さんと話すんですが、けっきょくは凡庸な結論ですよね。真面目に、地道にやれっていう。ぼくは最近、決断も早いし、ちゃんと創業者の意思もあるし、ファミリービジネスの優位性があるって本に書いているんですね。それで、ずっと続くファミリービジネスの老舗企業を調べると、秘策なんてあんまりなくて、真摯にやるのが一番なんだという。

加藤 結局はそこにしか行き着かないですよ。

Reference:加藤浩次さんと考えた稼ぐヒント。「失敗を減らすっていうのは、同時に、成功の数も減らすってことだから」

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理系屋代表