半沢直樹に学ぶ銀行読本

ゆう「銀行の面接には特徴がある」

by ゆう(元銀行員・キャリアアナリスト)

半沢 :この産業中央銀行で働くことは私の夢でした。

半沢直樹1

面接官:いや、しかし銀行はうちだけじゃないでしょう?

半沢 :いえ、こちらでなければだめなんです。

実家が小さな会社をやっております。私が中学の時、取引先が倒産して、うちの会社もつぶれる寸前まで追いつめられました。

「なんとかします、なんとかします」と、そういって必死に頭を下げる父の姿は、今でも目にやきついております。

その数日後、父は過労で倒れ、他界しました。

父の死後、メインバンクだった地元の地銀は、いち早く融資を引き上げ、母と従業員を苦しめました。

その時、私たちを救って下さったのが、それまで付き合い程度しか取引をしていなかったこちらの産業中央銀行です。

半沢直樹

御行は父が遺した工業用部品の将来性を正確に見抜き、融資して救って下さいました。

父の工場(こうば)は母が引き継ぎ、今でもどうにか続けていくことができております。

ですから私は、ぜひとも御行に入って、その恩返しがしたいと思っております。

面接官:わかりました。面接は以上です。明日午前0時までにご連絡がない場合、ご縁がなかったということでご了承下さい。

半沢 :わかりました。

半沢直樹2

これは半沢直樹が産業中央銀行の面接を受けているシーンでの会話です。

でも、ドラマをご覧になった方ならお分かりになると思いますが、このストーリーは半分本当で半分は嘘ですよね?

ただ、事実ですので説得力はあります。

でも、仮にこの会話しか面接で行われていなかったとすると、いくら半沢直樹といえども内定することは難しかったでしょう。

なぜなら、この会話の内容は、この銀行を志望している理由にすぎないからです。

これを志望動機といいますが、志望動機だけでは内定をもらうことはできません。これは、銀行業界だけでなく、あらゆる業界で共通していることです。

企業から内定をもらうためには、志望動機に加え、自己PRをする必要があります。

自己PRとは、文字通り、自分がどのように企業の役に立てるのかをアピールすることです。この2つは面接で必ずといっていいほど聞かれますが、逆にいえば、この2つしか聞かれません。

そんなことはない!色んなことを聞かれるよ!

という声が聞こえてきそうですが、「志望動機を述べて下さい」とか「自己PRして下さい」と言う代わりに、「どんな業界を受けているんですか?」とか「学生時代に頑張ってきたことは何ですか?」という質問をすることによって、志望動機と自己PRを引き出そうとしているだけなので、そう思わないだけです。

しかも、銀行の場合、採用人数が1000人規模と多いため、一人一人の面接に時間をかけることはできません。その上、銀行は業歴が長く、組織として古いため、既存の枠組みから外れることを極端に嫌います。

こうした背景により、銀行の面接は形式ばった質問が多く、就活生にとってはとても対策が立てやすいのです。

ただ、銀行に入るには「学歴」が必要になることは知っておいて下さい。この傾向は、銀行の規模が大きくなるほど顕著になります。

この理由は、単に採用担当者が「上司に説明しやすいから」だと僕は思っています。過去のやり方を変えるのは、何かと理由が必要になるので。

ただ、銀行に入ってからも証券外務員や生保、損保など業務で必要な資格を取得したり、法務、税務といった高度で、専門的な知識を修得しなければならないのは事実です。

銀行が有名大学出身者を求めるのには、そうした背景も多少はあると思います。

Reference:TBS

About ゆう

理系のキャリアを研究している元銀行員