花咲舞に学ぶ銀行読本

花咲舞に学ぶ銀行読本「銀行ってそんな特別なんですか!?」

by 花咲 舞(東京第一銀行 臨店班)

花咲舞:「手柄は上司のもの、ミスは部下のもの」なんて絶対おかしいですよ!銀行では、間違っていることも間違っていると言えないってことですか?

相馬(花咲舞の上司):しょうがないだろ?お前が言っていることは正論だよ。そんなことは皆わかってる。でもな、たとえどんなに正論でも、銀行では通用しないってことがあるんだ。ずっとテラーだったお前には、わからないかもしれないけどな。

花咲舞:お言葉を返すようですが、理不尽なことを言われて苦しんでいる人を見て、黙ってるのが銀行の常識ってことですか?皆、都合が悪くなると、いっつも「銀行は銀行は」って。銀行ってそんな特別なんですか?

銀行は特別ではありません。そして、行員もそのことには気づいています。しかし、気づいていながら何もしないのです。

なぜなら銀行は、皆さんが思っている以上に保守的で、変化を嫌う組織だからです。

一言で言えば、「事なかれ体質」です。

この原因は、「銀行が減点主義だから」だと個人的には思っています。

業務でミスをすれば減点されていくため、行員はミスを犯しかねない行為をわざわざしようとしないのです。

実際、「銀行は…」とか「きまりなので…」というのが行員の口癖になっていたりもします。

銀行を志望する就活生は、ぜひ知っておいて下さい。

銀行は、君たち就活生には主体性を求めますが、銀行自体に主体性はありません笑

積極的に動くのは、金融庁など、当局からお達しがあった時くらいです。

例えば、地銀再編が銀行業界では話題になっていますが、あれは金融庁が主導しています。

金融庁が地域金融機関の再編に本腰を入れ始めている。金融庁が、再編に事実上圧力をかけはじめたのだ。金融庁がこれほどまで地銀再編を押し進めようとしている背景には、地方銀行の収益力低下がある。

出典:地銀再編圧力をかける金融庁…生き残りを求められる「抜本的解決」 | ZUU online

過疎化や高齢化などで、将来的に地方の収益力が低下するのがわかっているにも関わらず地銀は何もしないのです。

はたからみたら、こんな奇妙な組織はないんですけどね。でもそれが銀行なんです。

こんな感じの組織なので、銀行が内部から変わることは恐らくないと思います。

銀行が変わるとしたら、携帯電話が公衆電話を、スマホがガラケーを駆逐したように、クラウドファンディングや「Facebookで送金」「LINE Pay」などのスマホ決済サービス、ビットコインなどの仮想通貨がきっかけになるでしょう。

実際、銀行の振込時間の延長の背景には、ビットコインなど仮想通貨の台頭があります。

日本の金融当局は、いち早くビットコインを否定し、単なるモノとして扱っていますが、米国や英国では、実質的に通貨として利用することを認めており、ビットコインでの支払いに対応する事業者は急速な勢いで増えています。

出典:銀行振り込み24時間化の意義とは? ── 勃興するビットコイン対策との指摘も | THE PAGE(ザ・ページ)

こうしたサービスは、銀行を介す必要がなかったり、銀行を介しても銀行口座からの入出金くらいなので、手数料は銀行のそれとは比べ物にならないくらい安いのが特長です(関連記事:”スマホ決済サービスは銀行を変える”)。

銀行からすると、こうしたサービスの台頭は収益の悪化につながります。

なので、今後、銀行は、そうしたサービスを提供するベンチャー企業などに出資するようになるでしょう。

金融庁が5日開いた研究会で、銀行が一般事業会社へ出資する際の規制を緩める案が浮上した。実現すれば、先進的な資金決済サービスを提供するベンチャー企業などを買収できるようになる可能性がある。すでに米国では同様の買収が可能で、銀行が新たな成長機会を得られるようになる可能性がある。

出典:銀行の出資規制、一部緩和案が浮上 金融庁の研究会 | 日本経済新聞

現状は、優越的地位の乱用や利益相反などの問題があり、銀行の出資は規制されていますが、規制が緩和されれば、この動きは加速するはずです。

従来の銀行インフラを使わない方向に、舵を切ることになりますが、それが時代の流れなので仕方ありません。

これまで銀行が変わらなかったのは、変わる必要がなかったからです。

何かあっても国が守ってくれましたし、銀行を脅かす企業もありませんでした。

しかし今は状況が違います。

銀行を介さず、クラウドファンディングで資金調達できたり、スマホで決済できるようになるということは、銀行の存在意義が薄れるということです。

銀行の存在意義が薄れ、破綻した時の影響が小さくなれば、国も今までのように銀行を守ってくれなくなるかもしれません。

こうしたことを本気で考えていれば、変わらざるを得ないと思うのですが。。

事なかれ体質の影響は相当根深いようです。

Reference:日テレ

About ゆう

元銀行員・キャリアアナリスト・理系就活コンサルタント。理系就活支援歴10年。大学講演含め、就活セミナー開催実績100回以上。支援学生数は延べ1500名以上。