銀行の赤本(就活生、金融業界志望者向け)

ゆう「スマホ決済サービスは銀行を変える」

by ゆう(元銀行員・キャリアアナリスト)

楽天銀行が2014年8月5日からFacebookを利用した送金サービス「Facebookで送金」を、LINEが2014年10月16日からクレジットカードや銀行口座と連携した新しい決済機能「LINE Pay(ラインペイ)」をそれぞれ開始したことにより、個人間でのお金のやり取りや決済が簡単に行えるようになりました。

そんな画期的なサービスを、以下にまとめてみました。

メリット① 受取人の口座情報なしで送金が可能に!

【Facebookで送金】

「楽天銀行アプリ」内のFacebookの友達リストから送金したい相手を選択し、金額を入力するだけなので、支店番号や口座番号といった受取人の口座情報は必要ありません。

また、受取人は、Facebook上に届いた送金通知に記載されているURLにアクセスし、受取口座を指定するだけなので、楽天口座を持つ必要はありません。

【LINE Pay】

送金者と受取人が共にLINEユーザーで、「LINE Pay」専用アカウント(※)を持っていれば、相手の銀行口座を知らなくても送金することができます。

(※)「LINE Pay」を利用するには、「LINE Pay」専用のアカウントを登録する必要があります。その際、銀行口座振替かコンビニ、またPay-easyでの支払いを通じた事前チャージ、あるいはクレジットカードでの支払い登録が必要になります。

メリット② 送金手数料が安い

【Facebookで送金】

Facebookアカウントを連携済みの楽天銀行口座を受取人が取得している場合、送金手数料は無料になります。但し、以下の場合は、一律165円の送金手数料が送金人に発生します。

・送金手続きを行った時点で送金先の友だちがFacebookアカウントと楽天銀行口座を連携していない場合
・送金先のFacebookアカウントに連携された口座が他行である場合

【LINE Pay】

送金手数料は無料です。但し、銀行から出金する(チャージを行う)際には振込手数料216円が必要になります。

メリット③ 様々な機能が使える

【Facebookで送金】

アプリから送金手続きを実施すると、送金人と受取人のみに閲覧が限定された投稿(最大50字)によって送金の通知がされるので、送金後の連絡の手間が省けます。

【LINE Pay】

・メッセージに加えてスタンプが使えます。
・特定の相手に支払い要請ができる「送金依頼」機能が使えます。
・支払い額の合計と任意のLINEメンバーを選択するだけで、均等に割られた金額をそれぞれのメンバーに請求することのできる「割り勘」機能が使えます。

something greater than yourself by Petras Gagilas, on Flickr

デメリット

【Facebookで送金】

・送金人は楽天銀行口座が必要です。
・送金可能な通貨は日本円のみです。
・日本国外の銀行で送金が受け取れません。

【LINE Pay】

・銀行口座振替やコンビニでの事前チャージは日本のユーザーのみです。
・チャージできる金額は最大で10万円までです。
・利用可能な銀行は、みずほ銀行と三井住友銀行のみです。
・利用可能なコンビニは、ローソン、ファミリーマート、ミニストップ、サークルKサンクスの5社のみです。

まとめ

【Facebookで送金】

・Facebookアカウントを持っていること
・楽天銀行口座を保有していて、楽天銀行アプリを利用していること
・受取人とFacebook上で友達であること
・受取人が日本国内に銀行口座を持っていること

「Facebookで送金」サービス詳細

【LINE Pay】

・LINEアカウントを持っていること
・受取人とLINE上で友達であること
・受取人もLINE Payサービスを利用していること

「LINE Pay」サービス詳細

「Facebookで送金」「LINE Pay」サービスで、銀行は今後どう変わる!?

今回、楽天銀行が開始した「Facebookで送金」、LINEが開始した「LINE Pay」サービスは、共にとても画期的なサービスだと思います。

なぜなら、このサービスは、既存銀行のビジネスモデルに一石を投じたからです。

今後、SNSサービスを提供している企業が、楽天銀行やLINEと同様のサービスを出すことは、ほぼ間違いないでしょう。

そして、この動きが加速し、皆が、SNS上でお金のやり取りがカンタンに、しかも、安くできるようになると、銀行に高い手数料を支払う必要はなくなります。

そうなると、メガバンクや地方銀行は、手数料を今の水準よりも、格段に下げざるを得なくなります。

振込手数料などの為替手数料が、利益のほぼ1割を占める銀行にとってSNS決済は、まさに脅威的なサービスなのです。

また、SNS上でお金のやりとりができるようになると、特に現金を持つ必要もなくなるので、近い将来、公衆電話同様、ATMはなくなるかもしれませんし、ビットコインなどの仮想通貨の取扱いも増えていくでしょう。

旧時代の銀行インフラに変わる、新時代のSNSインフラの幕開け

SNS決済は、それくらい劇的な変化を起こしかねないサービスなのです。

New life by Jannes Pockele, on Flickr

『語録.com』『理系就活一問一答』開設者兼管理人。京都大学大学院エネルギー科学研究科修了後、三井住友銀行に入行。預金・為替・融資業務から、銀行システムの企画開発、新卒採用活動まで幅広く従事。退職後は、中小企業向け財務コンサルティング及び金融業界志望者向け就職支援会社設立。現在は、理系ナビのキャリアアドバイザーとして、理系学生の就職やキャリアに関するアドバイスを行う。理系就活支援歴10年。大学講演含め、就活セミナー開催実績100回以上。支援学生数は延べ1500名超。