「自己の悩み」に関する成功者の言葉#4

人の悩みは、大きく3つのカテゴリー、「自己」「人間関係」「仕事・お金」に分けられる。例えば、「自己」に関する悩みとは、自分の能力や健康のこと、「人間関係」に関する悩みとは、教育や交友、子育てのこと、「仕事・お金」に関する悩みとは、キャリアや給与のこと。

今回は、成功者の「自己の悩み」への向き合い方や捉え方を、名言や格言を通して紹介する。

名越 康文(精神科医)

思うようにことが運ばないとき、人の行動に一喜一憂してしまうとき。怒ったり落ち込んだりしてしまうのは、知らず知らずのうちに人に期待しているからだそう。

「感情をコントロールするには、期待を半分にしてみましょう。消極的なようにみえて、相手任せにせず、自分から行動する余地を残すという積極性のある思考転換です。人に期待しない一方で、人の期待に応えようと敏感になりすぎないことも大切です」

Reference:なりたい自分になる! ネガティブをプラスに変える思考法とは?

清水 俊宏(フジテレビ ニュースコンテンツプロジェクトリーダー)

同期が先に出世した。後輩が先に結婚した。それに対して、素直に祝福できない自分がいる。そんな経験を持ったことはないだろうか。

そうした心の揺れ動きに、ドイツの哲学者・ニーチェはこう説いている。

祝福できないなら、呪うことを学べ。

「呪う」とは一見穏やかではなく、ドキッとするような言葉だが、これは“明るい教え”なのだという。どういうことだろうか?

一般的には、「他人を祝福してあげること」が正しいとされている。

しかし、ニーチェは「祝福できない自分を恥じて、自分を否定することはない」と説いている。しかも、「道徳に支配されずに生きることが大事」だと語っている。

道徳は、みんながいいと思っているものをいいと思い込んでいるだけかもしれない。他人から言われたことを鵜呑みにするのではなく、一度疑うことで自分なりに考え直してみることが重要だという。ニーチェは、そのことを「呪うことを学べ」という言葉で説明している。だからこそ、“明るい教え”なのだ。

Reference:祝福できないなら、呪うことを学べ。人生に迷ったら役立つ「哲学のことば」

ロイ・バウマイスター(心理学者)

ロイ・バウマイスター博士らが行った心理学の研究でも、200以上の文献をメタ分析した結果、人の行動や認知の幅広い範囲で「悪は善よりも強い」という一般原則が成り立つことがわかりました。

さらには、類は友を呼ぶ、ではありませんが、ネガティブな思考や感情は粘着性があり、脳に長く残ることがあります。不安が憂鬱感や無力感を引き寄せ、心を疲弊させて、私たちを弱気にさせてしまうのです。

しかし、これには解決策があります。次の3つの力を身につければいいのです。

第1が、逆境に負けない力「レジリエンス」です。第2が、不安定な状況でも、見通しが立つ力「ウェイパワー」です。そして第3が、困難があっても、最後までやり遂げる意志の力「ウィルパワー」です。

これら3つの力は、一流と言われる人であれば必ずもっているものだと考えます。そして、心理学の研究により、強気の源と言えるこれら3つの力はトレーニングできることがわかっています。

Reference:ロイ・バウマイスター「悪は善よりも強い」





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ー Thomas Edison
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理系屋代表